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特定技能スタートから1年

特定技能の現状と展望

特定技能の「登録支援機関」とは

2019年より新設された在留資格「特定技能」。特定技能1号人材を雇用する場合、人材への支援や煩雑な申請・報告義務が「受入企業」には義務付けられています。こうした業務を代行しサポートするのが「登録支援機関」です。

想定の10分の1

制度開始時、特定技能での受け入れ人数は5年間で最大34万5千人、初年度は最大4万7千人を予定していましたが、2020年2月末の速報値では2994人と、想定人数とは大きな乖離がありました。受け入れ人数や国内認知などを考えると、初年度の評価は低調と言わざるを得ないでしょう。特定技能の受け入れが進まなかった要因は様々ですが、最も大きな影響を与えたのは送り出し国との調整に時間がかかったことです。特定技能の在留資格を得るためには大きく2つの方法があり、1つが元技能実習生であったこと、もう1つが日本政府の定める日本語試験と職種ごとの技能評価試験に合格することです。このうち後者の試験は制度開始当時、送り出し国で実施されないものが多く、外国在住の人材にとってはハードルの高いものでした。日本政府は各国と調整を続け、送り出し国での試験実施を進めましたが、国と業種によっては、いまだ実施出来ていないものもあります。また、送り出し国内での制度整備や法整備なども時間がかかり、制度が万全に機能していない状態です。また、日本国内の受け入れ態勢の遅れもありました。特定技能人材を受け入れた日本企業は煩雑な報告などの義務を負いますが、その多くを「登録支援機関」が代行することができます。この「登録支援機関」は2019年4月に特定技能開始と同時に新設されたもので、外国人材の紹介事業などを行う会社が申請をして得るものです。2019年の夏頃までは、各社経過観察が続き、登録支援機関の数が伸びず、受け入れしたい企業も動きが取れない期間が長かったことが受け入れ態勢の形成を遅らせることつながったと考えられます。現在では登録支援機関の数は急増しており、受け入れ態勢の盤石化が進んでいます。

「特定技能」2年目の展望

低調な滑り出しとなった初年度に対し、2年目はどうなるでしょうか。いくつか懸念材料があることは確かですが、初年度と比較すると受け入れ人数は大幅に増加すると考えられます。今後、特定技能人材が増加すると考える第一の理由は日本の人手不足の深刻化です。特定技能が認められている14業種だけでなく、ほとんどの業種で軒並み人手不足が続いています。2020年2月の有効求人倍率は新型コロナウィルスの影響を受けてもなお1.45倍あり、人手不足の深刻さを表しています。この状況を打破するために外国人材の雇用が重要であることは明らかで、初年度は様子見をしていた日本企業が、2年目から本腰を入れて採用を始める可能性は高いといえるでしょう。また、第二の理由として、送り出し国の制度整備や日本国内の受け入れ態勢強化が進んでいることが挙げられます。前述のとおり、受け入れ国との調整はまとまりつつあり、各国での試験の実施や法整備がなされています。日本国内でも、登録支援機関の数は順調に伸び、受け入れ企業へのサポート体制が確立しています。2年目にして、特定技能は大枠が定まりつつあり、優秀な人材を獲得する1つの方法として確立するでしょう。一方で、懸念事項がある事にも触れておかねばなりません。もっとも懸念されるのが新型コロナウィルスの影響です。すでに経済には大きな影響が出ています。経済が後退すると採用活動は鈍化するため、今後しばらくは求人自体が減少をする見込みです。実際、有効求人倍率は昨年12月以降急激な下降をみせており、政府からの外出自粛要請が出された3月以降はより大きな減少となることが予想されています。海外への渡航制限が拡大している現状においては、外国人材に内定を出しても入国できるのかとの不安があり、外国人採用が最も影響を受けると考えられます。今後しばらくはWEB面接を利用するなど、新型コロナウィルスに対する対策をとりつつ、渡航制限等の解除後、速やかに動けるよう準備を進めておく必要があるでしょう。

登録支援機関は監理団体と同じ?

「特定技能」以外の在留資格に「技能実習」制度があります。「技能実習」制度では「監理団体(協同組合)」と呼ばれる機関が技能実習生への支援を行っています。登録支援機関の制度が監理団体とよく似ているため混同されがちですが、登録支援機関と監理団体は全く違う組織です。登録支援機関はあくまで「特定技能1号」人材に対する支援を行う機関です。一方、監理団体は「技能実習」制度の候補者を受入先機関へ派遣・紹介する団体です。監理団体も海外人材について登録支援機関同様に人材へのサポート・出入国在留管理庁へ報告義務があります。しかし、監理団体が扱うのはあくまで「技能実習」制度の人材であり特定技能に関しては基本的には扱えません。しかし、技能実習2号を良好に終了した人材は無試験で特定技能資格の取得が可能であるため、監理団体が継続してそのサポートすることを目的として登録支援機関の許可を得て活動しているケースもあります。

外国人材を検討する上で重要なこと

今後伸びてくると考えられる特定技能ですが、どんな業種でも採用できるわけではなく、人手不足が顕著な14業種に限られています。また、受け入れ企業が独自に採用活動を進めるのは難しく、登録支援機関や人材紹介会社を利用する必要があります。こうした中、採用を検討する日本企業は適切なパートナーを選定することが最重要と言えます。人材紹介会社によって得手不得手の業種が存在するため、自社の業種が得意な会社を選ぶことや、送り出し国との連携関係を締結している会社を探すことで、様々なリスクを軽減し、素晴らしい採用が実現します。

まとめ

特定技能が始まって1年は制度整備の途中ということもあり、多くの日本企業が様子見をすることになりましたが、制度が整いつつある今後は受け入れ人数を増やすことになるでしょう。今後は外国人材そのものの需要も増えていく中で、積極的な採用活動を踏み切る時期がきているかもしれません。そのためには適切なパートナーを見つけ、採用活動を進めていくことが重要といえるでしょう。