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特定活動46号とは?

留学生の就職が拡大する新しい「特定活動 46号」について

特定活動 46号

日本には約30万人の外国人留学生がいます。その数は年々増加しており、衰えることを知りません。彼らは日本の大学で専門的な勉強や研究に励みながら、日本語や日本の文化、マナーについても同時に学んでいます。日本での生活経験がある留学生は日本の人手不足を解消する外国人材として大きな期待がかかっており、実際、留学生の約6割が日本での就職を希望しています。一方で、日本独特の採用文化や在留資格の問題などから、留学生の日本での就職率はわずか3割にとどまっていることが問題点として挙げられていました。こうした中、日本政府は留学生の就職支援を目的として、新たな在留資格「特定活動46号」を制定しました(2019年5月)。この在留資格が生まれたことにより留学生の採用の幅が広がり、雇用の拡大と就職率の向上が図られています。

なにが変わったのか

外国人留学生は日本で働くために「技術・人文知識・国際業務」と呼ばれる在留資格を得ることが一般的です。この在留資格は、大学での専門分野と従事する職務内容の整合性が取れていることが求められ、サービス業務や製造業務などの単純作業をすることは認められていませんでした。そのため、職務内容が限定的で、専門性は活かせるものの人手不足の解消には大きく寄与できていませんでした。新設された「特定活動46号」の場合、「技術・人文知識・国際業務」の職務範囲に加えて、一部の単純労働が認められ、留学生の活躍の場が広がったのです。

職務のルール

「特定技能46号」の在留資格を得て日本で働く外国人材には、従事できる職務内容にいくつかのルールがあります。
1、「日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務」
対象の外国人材が、単に指示をうけて作業をするような受動的な業務ではなく、「翻訳・通訳」の要素を持つような業務や、他者と日本語でコミュニケーションをとることを要する業務であることが求められます。
2、「大学で学んだ専門知識を活かせる業務」
「技術・人文知識・国際業務」と同じように、職務内容の背景に自身の専門分野であることが求められます。

下記は出入国在留管理庁がまとめたガイドラインに掲載されている活動例の一部を抜粋したものです。

●飲食店に採用され、店舗において外国人客に対する通訳を兼ねた接客業務を行うもの(それに併せて、日本人に対する接客を行うことも含む。)。※厨房での皿洗いや清掃にのみ従事することは認められません。
●工場のラインにおいて、日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人従業員に対し外国語で伝達・指導しつつ、自らもラインに入って業務を行うもの。※ラインで指示された作業にのみ従事することは認められていません。
●介護施設において、外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら、外国人利用者を含む利用者との間の意思疎通を図り、介護業務に従事するもの。※施設内の清掃や衣服の洗濯のみに従事することは認められません。

特定活動46号を取得する条件

活動の範囲が広く、魅力的な「特定活動46号」ですが、これを得るためには2つの条件があります。1つ目は「学歴」による制限です。冒頭よりご説明している通り、留学生のための在留資格であるため、日本の4年制大学を卒業しているか、大学院を修了している方に限られます。2つ目は「日本語能力」です。「特定活動46号」の職務内容には「通訳」の要素が必要だとご説明いたしました。つまり、日本語が堪能であることが求められるのです。具体的には、日本語能力試験でN1を取得しているか、BJTビジネス日本語能力テストで480点以上を有している事が必須条件です。どちらも試験レベルとしては最上位に当たるため、留学生の中でも特に日本語能力が高い人材となります。留学生にとっては大きなハードルになりますが、日本企業から見れば、より確実に優秀な人材を採用できることにつながります。

まとめ

今回は「特定活動46号」について簡単にご説明いたしました。新設されて間もない在留資格のため、まだ認知は低いですが、今後の留学生雇用にとって促進剤となる事でしょう。留学生は外国人材の中でも特に日本の文化に理解があり、職場に馴染みやすいと考えられています。こうした優秀な人材を逃さないためにも、日本の更なる法整備と社会の多様性の受容は必須といえます。

※出典: 独立行政法人日本学生支援機構『平成30年度外国人留学生在籍状況調査結果』2019年1月

※出典: 出入国在留管理庁『留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン』2019年5月