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ブルネイの基本情報

ブルネイの基礎知識 2019年(まとめ)

ブルネイの基本情報(まとめ)

ブルネイは、イギリス連邦へ加盟している国の一つで、資源が豊富なことから「ASEANのお金持ち」と呼ばれています。元経産省職員大河内博氏による著書「ブルネイでバドミントンばかりしていたら、なぜか王様と知り合いになった。」が大変話題になりました。 そんなブルネイについてご紹介します。

平均年齢30歳 若さ溢れるブルネイ

ブルネイは、日本の三重県とほぼ同じ大きさの国土に約45万人(※1)の人々が生活しています。平均年齢は約30歳と、大人と若年層の人口のバランスが取れています(※2)。生産年齢人口は、約32万人と全人口比約71.8%となっています(※3)。  経済成長率は、近年マイナス成長となっていましたが、2017年にプラス成長に転じ、2019年は2011年以来の高い成長率が予測されています。 名目GDPは、約180億ドルとASEAN加盟国最下位であるものの(※4)、国民一人当たりの名目GDPはアジア5位と高く,社会福祉も充実していることから、政治・経済情勢は非常に安定しています。

モノカルチャーから産業多角化へ

ブルネイは、1888年にイギリスの保護国となり、プランテーションに代表される農業を中心とした経済を展開していました。しかし、1929年に油田が発見されると経済の軸足は石油産業へ移りました。現在、イギリスのシェルとの合弁会社ブルネイ・シェル石油会社によって原油の、ブルネイ・三菱商事・シェルによる合弁会社ブルネイ天然ガスによって天然ガスの採掘・販売が行われており、GDPの60%を石油・天然ガスの生産でまかなっています。輸出産品でみると、90%を石油と天然ガスが占めており、石油大国であることが見て取れます(※5)。 石油資源という強力な武器を得て、安定的なモノカルチャー経済を行ってきたブルネイですが、石油依存には大きな問題を抱えています。ブルネイの原油や天然ガス等の資源残量が枯渇する可能性が出ているのです。現在のペースで採掘を行うと原油が20年後、天然ガスが40年後には枯渇するとの試算が出ており、国内の経済に多大な影響を及ぼすことが予想されています。天然資源枯渇後の経済を維持するためには、今から産業の多角化を目指す必要があります。 そこでブルネイ政府は、2008年に中長期経済計画「ワワサン・ブルネイ2035」を発表しました。この計画では、生活水準のレベルを世界上位10カ国以内にすること、国民が高い教育を受け優れた技術を有すること、そして石油・天然ガス依存から脱却し多様化された経済で持続可能な経済力を持つ国家にすることを目標とし、将来のブルネイ経済の地盤を作ろうとしています。「ワワサン・ブルネイ2035」発表以降は、5か年毎に経済計画を発表し中長期的な改革を着実に進めています。  現在、ブルネイ政府は育成を強化している産業として、化学薬品、食品、化粧品等の多種多様な産業をあげ、経済開発と工業団地の整備を進めて海外企業を誘致し技術導入を図っています。化学薬品産業では、石油・天然ガスを加工することで得られるメタノールやアンモニアの製造に活路を求めています。食品産業では、国民の6割以上がイスラム教徒であることから、戒律で信者が食すことが許可されている「ハラルフード」の生産を強化しています。こうした取り組みには多くの日本企業も参画しています。このような海外企業には、情報通信・食品加工・製造・金融・観光分野などの優遇税制措置や研究開発・人材育成の助成金などに投資優遇策を講じ、直接投資の活性化を狙っています。これらの努力は世界からも評価され始め、2018年に発表された世界銀行のビジネス環境ランキングで2014年の105位から54位へ急上昇しました。

まとめ

ブルネイは、これまで石油天然ガスの豊富な資源を生かし、経済成長を続けてきました。しかし、石油資源への依存脱却に向けて産業構造改革のために様々な施策を講じています。その施策に対して、海外企業から高い注目を集め、多くの海外企業が進出し始めています。 これから国家として新たな段階へ入るブルネイは、日本にとっても大切なパートナーとなる事でしょう。

※1※4 IMF「WORLD ECONOMIC OUTLOOK DATABASES」2019年10月最新版

※2※3 国連「World Population Prospects, 2019 Revision」

※5 ブルネイ首相府出典