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マレーシアの基本情報

マレーシアの基礎知識 2019年(まとめ)

マレーシアの基本情報(まとめ)

ボルネオ半島北部とマレー半島南部からなる、イギリス連邦加盟国の一つであるマレーシア。「ルックイースト政策」を掲げ、この30年で経済は飛躍的な高度成長を遂げました。「ASEANの優等生」と呼ばれるほど、経済・政治両方が安定し、産業の高度化と都市化が進められています。そんなマレーシアについてお伝えします。

平均年齢28.5歳 非常に若い国

マレーシアは、日本の9割ほどの国土面積の中に、約3,200万人が生活をしています。多民族国家としても知られ、マレー系の人々を中心に、中華系、インド系等の人々や、カダザン族、バジャウ族、イバン族が暮らしています。人口は、増加を続けており、国連推計では、2020年までに3,299万人、2030年に3,726万人、2040年に4,080万人、2050年には4,346万人に達すると予想されています。また、平均年齢は約28.5歳と非常に若い国です。生産人口年齢は、約2,200万人で、全人口比69.2%と非常に高く、勢いのある国であることがわかります。一人当たりGDPは、11,072米ドルとASEAN内では3位の数字ですが、地域格差が大きく地方ではまだまだ開発の余地があり、人口増加も期待されることから今後も成長が期待できます。

日本を模範として成長し続ける国

マレーシアの現在にまで続く経済の飛躍的な高度成長は、第4代首相マハティール・モハメドによってもたらされました。 マハティール首相就任以前のマレーシアは、イギリスの植民地時代の影響を色濃く残していました。中国やインドなどから集められた外国人労働者により、多民族社会となっていたマレーシアでは、イギリスからの独立後、経済的に豊かな中華系人と先住民マレー人の間で民族対立が起きていました。その対立の原因である経済格差を減らすため、マレーシア政府は、マレー人を経済的に優遇する国策「ブミプトラ政策」を施行しました。この政策によって多くのマレー人が公的機関へ優先的に採用されましたが、この政策で採用されたマレー人の中には、怠慢的に業務にあたる者も多く、公共サービスに大きな支障をきたしました。また、ビジネス界へ進出したマレー人も過度の個人主義と利己主義を追求する人々が顕著になりました。 マハティール氏が、1981年に首相に就任すると、国家の成長モデルを西洋の国々ではなく同じアジアの国に求め、アジアの国として世界の先進国となった日本の「集団主義」と「勤労倫理」を中心とした成長モデルに注目。その成長モデルを基本とした「ルックイースト政策」を提言しました。その結果、マレーシア国内では日本に対する関心が高まることになり、人材育成の一環として日本への派遣留学が急増しました。その数は累計で1万4,000人にもなり、その学生たちがマレーシアの経済発展を支えました。また、これを好機とみた日本の製造・建設業の企業によるマレーシア進出ラッシュを呼び寄せることにもなりました。

マレーシアの教育熱

マレーシアは、長年教育政策に力を入れ、国をあげて学校教育の充実へ取り組んできました。そのきっかけとなったのが、イギリスの植民地時代から独立したときに抱えていた2つの大きな課題でした。
 1つ目の課題は「多民族の国民統合」でした。1969年、中華系の人々とマレー人との間で人種暴動が発生。多数の死傷者を出しました。比較的裕福であった中華系人とマレー人との間に大きな経済的格差があり、両民族間の関係が悪化した事が原因でした。政府はこれを受けて、その翌年に学校教育の基本理念を盛り込んだ国家理念「ルクヌガラ」を策定。幼少時からの道徳教育や宗教教育を国主導で行うことで、長期的な民族の融和を追求しました。
2つ目の課題は「貧困からの脱却」です。マレーシアでは、都市部と地方での教育環境に格差が存在していました。地方の農村部の子供たちも教育を受けられるよう教育環境の整備を進め、すべての子供にしっかりとした教育を受けさせることで、農村部の近代化と産業の高度化を担う人材育成を推進しています。 マレーシアにとって教育政策は、多民族が共存して生活する国として、また、安定した経済成長の持続を目指すため国家開発計画の中核をなすものなのです。 現在のマレーシアは、産業の高度化を目指しており、特に技術科学分野や、IT分野での人材育成に力を入れています。近年、高度教育へ進学した約半数近くの人が技術科学分野の教育を受けています。積極的な政策によって、これからのマレーシアを担う人材が着実に輩出されているのです。

まとめ

マレーシアは現在も安定した経済成長が続いており、実質GDPは近年5%付近を推移しています。その中心は輸出産業で、今後も経済成長を続けるために産業の高度化が目標となっています。主要産業の変化によっては、安定した経済成長が期待されるでしょう。 ルックイーストやルクヌガラによって、国をあげた教育を受けた若者たちは、優秀な人材となり、今後のアジアを牽引しようとしています。マレーシアが「ASEANの優等生」と呼ばれるのはこのためです。 アジアの中心となろうとしているマレーシアの動向に目が離せません。