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ミャンマーの基本情報

ミャンマーの基礎知識 2019年(まとめ)

ミャンマーの基本情報(まとめ)

ノーベル平和賞受賞者で、非暴力民主化運動の指導者として有名なアウンサンスー・チー氏による民主化で海外へ開かれた国となったミャンマー。 近年では、海外企業によるミャンマーへの進出や投資が加速し、2018年には海外からの投資額が過去最高を更新。経済も大きな発展を遂げています。 そんなミャンマーの基本情報をお伝えします。

平均年齢約28歳 非常に若い多民族国家

そんなミャンマーですが、経済は困窮をきわめています。 ミャンマーは長年にわたり、軍事政権によって国家運営がなされていました。軍事政権は、社会主義国家として政治を行ってきましたが、大衆の中では民主化を求める動きが活発化していました。1987年にアウンサンスー・チー氏がデモ活動を開始。民主化運動を弾圧したい軍事政権は、スー・チー氏を自宅軟禁にしました。 国際社会は、この事態を問題視し、軍事政権に再三民主主義国家への移行と、スー・チー氏の自宅軟禁状態の解除を求めましたが、これに応じず、諸外国は、ミャンマーへの経済援助を停止。これによりミャンマーは政治・経済的に孤立を深めていきました。  大きな変化が起きたのは、2007年のこと。テイン・セイン氏が首相に就任すると、軍主導の政治体制の改革と新憲法の制定を行い、民主化へと舵を切りました。2010年には、政府がスー・チー氏の自宅軟禁の解除を発表。 これによりスー・チー氏は、政党「国民民主連盟(通称:NLD)」を結党。2015年には、スー・チー氏がミャンマーの国家顧問・外務大臣・大統領府大臣に就任し、政権の実権を握ったことにより、実質的指導者となり、世界に開かれた民主主義国家へと急速に変貌を遂げています。

ミャンマー 日本への熱い関心

ミャンマーは、親日家が多いことでも知られます。特に現在、日本のマンガや映画を中心に日本ブームが起きています。今年1月から2月にかけて首都ヤンゴンやマンダレーで開催された「日本映画祭」は、来場者数が昨年の倍となる2万人を超え大盛況となりました。 こういった背景もあり、ミャンマー国内での日本語学習人気は高く、ヤンゴン市内だけで民間の日本語学校は300を超え、日本語検定試験の受験者は毎年1.5倍のペースで増えています。この数字は、世界で中国、韓国、台湾、ベトナムに次ぐ第5位、ASEAN内ではタイを抜いて第2位となっています。 また、経済が発展したことで、市民の所得額が増加し車を持つ人も増えました。多くのミャンマー人は、中古車を購入しますが、その9割が日本車で、またその9割がトヨタ車であるといわれています。 そうした日本への関心は、人材採用にも好影響をもたらし、今年3月にJETRO(日本貿易振興機構)がミャンマーの首都ヤンゴンで開いた、日本の中小企業でのインターンシップを希望する高度外国人材(日本語学習者など)向けセミナーには、240人が参加し、90%以上が日本での就職を希望している若者でした。 参加者へのアンケートから、参加者のほとんどが「日本の商習慣」「日本の技術・製品」「従業員を大切に扱うこと」等、日本の先進的なスキルを身につけたいと考える若者でした。

まとめ

日本との文化的違いが比較的少なく、親日で、日本語学習を行っている若者が多いミャンマーの方は、日本で就業しても、適応が早いのが特徴です。そのため高度人材や技能実習生、留学生として来日するミャンマーの対日在留者数は、この5年で約2.5倍になりました。  日本では、2019年より特定技能制度が開始し、ミャンマーの若者も、大きな期待を抱いています。一方、ミャンマー現地での特定技能人材の認定を受けるための試験はまだ開始されておらず、ひとつの障壁となっています。今後現地で試験を受けられるようになれば、優秀な若者を獲得できる可能性が高まっていくことでしょう。  “これからの国”ミャンマーの優秀な人材を獲得することは、日本企業の“これから”を切り開いていくことにつながるのではないでしょうか。

(※1)データ出典:国連「World Population Prospects The 2015 Revision」

(※2)データ出典:IMF "World Economic Outlook Database"