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インドネシアの宗教観(まとめ)

「イスラム」の生活とは

インドネシアの宗教観

イスラム教を知ろう

日本で生活をしていると「宗教」を意識することはあまりないかもしれません。しかし、ほとんどの国の人々にとって宗教は自身の生き方を決定づけている重要な要素です。インドネシアの人々にとっても宗教は重要で、生活の中に浸透しています。

非イスラム国家としてのインドネシア

インドネシアでは約8割の人がイスラム教、1割の人がキリスト教を信仰しています。ムスリム(イスラム教徒)が多いこともあって、インドネシアの社会はイスラムに則った風習が多く見受けられます。しかし、イスラム国家とは少し違います。中東などに見られるようなイスラム国家は国の指導者がイスラムの聖職者であることが多く、政治と宗教は一帯です。それゆえに、イスラム教は民主主義と相反すると考えられがちです。一方で、インドネシアは政治と宗教が明確に分離されており、完全な民主主義の下政治がおこなわれています。かつてアメリカのオバマ元大統領がインドネシアを訪問した際には「世界にとって理想的な民主主義のモデルだ」と賛辞を送っている程です。

イスラムの生活スタイル

日本企業がインドネシアに進出した際、あるいは、日本でインドネシア人を雇った際、イスラムの文化に戸惑うことがあるでしょう。日本ではイスラム圏の方をあまり見かけないので当然です。しかし、彼らと協力していくためには、日本の文化を押し付けるのではなく、日本人もイスラムの風習を理解し、互いに尊重することが必要です。  ここで、イスラムの風習を一部紹介します。
<礼拝>  イスラム教では、1日5回の礼拝が義務付けられています。厳密には5回ですが、状況などに合わせて、3回とすることもできます。   ①夜明け前・・・4~6時ごろ   ②昼・・・・・・12~14時ごろ   ③午後・・・・・15~17時30分ごろ   ④日没時・・・・18~19時ごろ   ⑤夜・・・・・・20時以降 1回あたりの礼拝時間は5~10分程度です。礼拝の前には手、足、顔などを水で清めます。礼拝は畳1畳手程度のスペースがあれば行うことができます。広いスペースを用意する必要はありませんが、企業側で場所を用意するとよいと思います。
<禁止されている食べ物>  イスラム教には、ハラルという言葉があります。イスラム法で許された食べられるものを表しています。代表的なルールとしては、豚肉とアルコール類の飲食の禁止です。豚はムスリムにとっては不浄のものと考えられています。それ以外の食肉も厳密には細かな規定があります。魚介類は基本的に食べることが出来ます。  ハラルの基準をみたした食品にはハラルマークが付けられていることがあります。近年では日本でもこのハラルマークの付いた食品を専門に扱う商店や、ハラル認証を得たレストランも増えてきました。  日本では「飲みニケーション」と言われますが、ムスリムとの食事には配慮が必要です。歓迎会のつもりが、ムスリムの心を傷つけることもありますので注意しましよう。
<ラマダーン(断食)>  ラマダーンは日本人でも耳にしたことがあると思います。2018年にはイスラム教徒のサッカーエジプト代表モハメド・サラ―選手が、W杯期間中にも関わらずラマダーンを実施したことで注目されました。 イスラム教では毎年約1か月間、日中の飲食を断ちます。これは貧しい人の気持ちを理解し、日々の暮らしに感謝を捧げるためです。ラマダーンの時期はイスラム暦に基づいており、一定の日ではありませんが、おおよそ5月~6月となります。断食といっても、完全に食事が出来ないわけではなく、日没後は食事が許されます。日中は軽い水分補給はすることが可能です。
<頭に触れる>  イスラム教では頭は神聖なものとされ、触ってはいけないとされています。失敗した社員の頭を殴るなどは絶対にあってはなりません。(暴力は宗教に関わらずよくありません。)

まとめ

ここまで、簡単にイスラム教とその生活についてご紹介しました。特徴的な事を記載しましたが、留意しなければならないことが特別多いわけではありません。また、日本人が配慮をし過ぎてしまうことも良くありません。大切なことは、お互いの文化を尊重し、相手を思いやり、優しい気持ちで、分け隔てなく、すべての従業員と同じように接することです。是非、日本人もムスリムも働きやすい職場を作っていただきたいと思います。