ASEANの大国として世界に存在感を示している“インドネシア”。近年、「経済成長」「人口増加」などにより、巨大マーケットとなることが見込まれることから、世界中の企業の注目を浴びています。進出をした日系企業も1570社※1を超えるインドネシアの魅力はどこにあるのでしょうか。
世界4位の若い人口
インドネシアの人口は2億6189万人※2で世界4位を誇り、日本の約2倍の人数に匹敵します。1950年の記録によると当時の人口は7700万人だったことを考えると、爆発的な成長であることがわかります(1950年の日本の人口は約8400万人)。現在では人口の上昇率は緩やかになってはいるものの、今後も上昇を続け、2050年には2億9300万人※3となる予想で、100年の間に3倍以上に達することになります。インドネシア人口の特長と言えば、「若さ」でしょう。平均年齢は29歳。 他国と比較すると、日本が46歳、中国、タイが37歳であることから、非常に若いことがわかります。生産年齢人口も全人口の67%と高い数値を示しています。これらのことから、インドネシアの人口ボーナス期(人口増加率よりも労働力増加率が高くなり、経済成長が促される期間)は今後10年以上続く見通しです。 巨大な人口は質も伴って、大きな力を生み出すと考えられています。
安定した成長と課題
人口ボーナス期であることも手助けとなり、インドネシアの経済は成長を続けています。近年の実質GDP成長率は5~6%と高水準を維持しており 、2018年は5.2%でした。この高水準は10年近く継続しています。こういった背景から、先進国の失速が懸念される昨今において、次世代を牽引する国の一つとしてインドネシアの名前を聞く機会は少なくありません。2000年代以降に急成長している国をBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)と呼びますが、ここにインドネシア を足してBRIICsとする考え方も存在するほどです。インドネシアがBRICsに含まれない要因としては、日本の5倍もの国土面積と2倍の人口を抱えながら、GDPが前述の4ヶ国に比べて低いことが挙げられます。これは国土と人口の規模からくる優位性をうまく発揮できていないことを表していますが、まだ若い国であるインドネシアが 本領を発揮するのはこれからで、BRIICsになるかどうかの現状を伸び代があると考えることが出来ます。こういった将来性はインドネシアの魅力の一つと言えそうです。
豊富な資源と日本
天然資源が豊富なインドネシアは日本にとって重要なパートナーです。インドネシアは石油・天然ガス・石炭・鉱物資源が非常に多く、輸出産業の軸としています。エネルギー資源の少ない日本はこれらの資源をインドネシアからの輸入に頼っており、日本のエネルギー輸入に占めるインドネシアの割合は石炭が14.9%で第2位、液化天然ガスが7.2%で第5位※4と上位に位置しています。また、中東からの石油輸入に関しても、地理的に重要な地点で、日本に輸入される石油 のほとんどが、マレー海峡とスマトラ島を隔てるマラッカ海峡を通過しています。
親日国としてのインドネシア
インドネシアは親日国として有名です。インドネシアは長くオランダの統治下にありましたが、大戦の際に日本軍がオランダを撤退させます。また、終戦後再度オランダがインドネシアの植民地化に動いた際には、現地に残っていた元軍籍の日本人約3000人が共に戦い、インドネシアの独立に力を貸したと言われています。また、インドネシア初代大統領スカルノ氏は大変な親日家で、日本でタレントをしているデヴィ夫人と結婚をしたことも要因の一つです。その後、一時 反日感情が興る時期もありましたが、現在では日本を重要なパートナーと考える方がほとんどです。
まとめ
今後、グローバル化が進む世界情勢の中で、日本とインドネシアの協力関係は重要になると考えられます。日本の企業としては、今のうちからインドネシアの文化を理解し、強固なつながりを作ることは、将来に大きなメリットとなって還元されることでしょう。
(※1)ジェトロ・ジャカルタ(2019年)の発表に基づく
(※2)インドネシア中央統計局(2017年)の発表に基づく
(※3)国連人口推計・中位推計(2010年)の発表に基づく
(※4)財務省貿易統計(2015年)に基づく
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ASEANの大国として世界に存在感を示している“インドネシア”。近年、「経済成長」「人口増加」などにより、巨大マーケットとなることが見込まれることから、世界中の企業の注目を浴びています。進出をした日系企業も1570社※1を超えるインドネシアの魅力はどこにあるのでしょうか。
世界4位の若い人口
インドネシアの人口は2億6189万人※2で世界4位を誇り、日本の約2倍の人数に匹敵します。1950年の記録によると当時の人口は7700万人だったことを考えると、爆発的な成長であることがわかります(1950年の日本の人口は約8400万人)。現在では人口の上昇率は緩やかになってはいるものの、今後も上昇を続け、2050年には2億9300万人※3となる予想で、100年の間に3倍以上に達することになります。インドネシア人口の特長と言えば、「若さ」でしょう。平均年齢は29歳。 他国と比較すると、日本が46歳、中国、タイが37歳であることから、非常に若いことがわかります。生産年齢人口も全人口の67%と高い数値を示しています。これらのことから、インドネシアの人口ボーナス期(人口増加率よりも労働力増加率が高くなり、経済成長が促される期間)は今後10年以上続く見通しです。 巨大な人口は質も伴って、大きな力を生み出すと考えられています。
安定した成長と課題
人口ボーナス期であることも手助けとなり、インドネシアの経済は成長を続けています。近年の実質GDP成長率は5~6%と高水準を維持しており 、2018年は5.2%でした。この高水準は10年近く継続しています。こういった背景から、先進国の失速が懸念される昨今において、次世代を牽引する国の一つとしてインドネシアの名前を聞く機会は少なくありません。2000年代以降に急成長している国をBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)と呼びますが、ここにインドネシア を足してBRIICsとする考え方も存在するほどです。インドネシアがBRICsに含まれない要因としては、日本の5倍もの国土面積と2倍の人口を抱えながら、GDPが前述の4ヶ国に比べて低いことが挙げられます。これは国土と人口の規模からくる優位性をうまく発揮できていないことを表していますが、まだ若い国であるインドネシアが 本領を発揮するのはこれからで、BRIICsになるかどうかの現状を伸び代があると考えることが出来ます。こういった将来性はインドネシアの魅力の一つと言えそうです。
豊富な資源と日本
天然資源が豊富なインドネシアは日本にとって重要なパートナーです。インドネシアは石油・天然ガス・石炭・鉱物資源が非常に多く、輸出産業の軸としています。エネルギー資源の少ない日本はこれらの資源をインドネシアからの輸入に頼っており、日本のエネルギー輸入に占めるインドネシアの割合は石炭が14.9%で第2位、液化天然ガスが7.2%で第5位※4と上位に位置しています。また、中東からの石油輸入に関しても、地理的に重要な地点で、日本に輸入される石油 のほとんどが、マレー海峡とスマトラ島を隔てるマラッカ海峡を通過しています。
親日国としてのインドネシア
インドネシアは親日国として有名です。インドネシアは長くオランダの統治下にありましたが、大戦の際に日本軍がオランダを撤退させます。また、終戦後再度オランダがインドネシアの植民地化に動いた際には、現地に残っていた元軍籍の日本人約3000人が共に戦い、インドネシアの独立に力を貸したと言われています。また、インドネシア初代大統領スカルノ氏は大変な親日家で、日本でタレントをしているデヴィ夫人と結婚をしたことも要因の一つです。その後、一時 反日感情が興る時期もありましたが、現在では日本を重要なパートナーと考える方がほとんどです。
まとめ
今後、グローバル化が進む世界情勢の中で、日本とインドネシアの協力関係は重要になると考えられます。日本の企業としては、今のうちからインドネシアの文化を理解し、強固なつながりを作ることは、将来に大きなメリットとなって還元されることでしょう。
(※1)ジェトロ・ジャカルタ(2019年)の発表に基づく
(※2)インドネシア中央統計局(2017年)の発表に基づく
(※3)国連人口推計・中位推計(2010年)の発表に基づく
(※4)財務省貿易統計(2015年)に基づく